宝塚歌劇団月組とは?2026年最新公演・歴代トップスターと法人化の全貌
宝塚歌劇団月組は、花組とともに1921年に誕生した、100年以上の歴史を持つ伝統ある組です。繊細な人物描写や緻密な群像劇、大作ミュージカルへの取り組みで知られ、「芝居の月組」とも称されてきました。2026年10月23日時点では、トップスターの鳳月杏(ほうづき・あん)とトップ娘役の天紫珠李(あまし・じゅり)が率いており、次回の宝塚大劇場公演は、両者の退団公演となる『天穹のアルテミス』『Belle Époque(ベル エポック)』です。
一方、月組を理解するうえでは、舞台の魅力だけでなく、2025年に実施された宝塚歌劇団の株式会社化や、劇団員の雇用契約制度の変更も見逃せません。阪急電鉄との資本関係はどう変わったのか。村上浩爾社長のもとで進む組織改革は、舞台に立つ生徒たちの働き方に何をもたらしたのか。宝塚歌劇公式ホームページや阪急阪神ホールディングスの公表資料、報道各社の記事をもとに、月組の歴史、2026年の最新公演、歴代トップスター、運営体制の実態を整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:月組は1921年に発足した伝統ある組で、繊細な群像劇や大作ミュージカルを強みとしてきた。
- 要点2:2026年10月23日時点のトップコンビは鳳月杏・天紫珠李。次回の大劇場公演は2026年12月12日開幕予定で、2人の退団公演となる。
- 要点3:2025年7月に株式会社宝塚歌劇団へ移行。阪急電鉄の100%出資という関係を維持しながら、ガバナンス強化と劇団員の雇用制度の見直しが進められた。
【月組とはどんな組?】1921年の発足から続く歴史と舞台の特徴
宝塚歌劇団の月組は、1921年に花組とともに発足しました。当時、宝塚歌劇の観客数が増加し、複数の組に分かれて公演を行う体制が導入されたことが誕生の背景にあります。花組と月組は、現在の5組体制につながる歴史の出発点となった存在です。
月組の歩みを特徴づけるのは、レビューの発展と大作ミュージカルの上演です。宝塚歌劇公式ホームページの「月組誕生100周年特集」では、1930年の『パリゼット』、1933年の『花詩集』が、後の宝塚歌劇におけるレビューやショーの礎となった作品として紹介されています。
さらに、月組は1974年の『ベルサイユのばら』、1977年の『風と共に去りぬ』、1987年の『ME AND MY GIRL』といった大作ミュージカルの初演も担ってきました。歴史的な名作を上演してきた実績は、月組の演目を語るうえで欠かせません。
月組が「芝居の月組」と呼ばれる背景には、主演スターの華やかさだけでなく、脇を固める出演者を含めた群像劇への評価があります。主役の感情だけで物語を押し切るのではなく、登場人物同士の関係性や、それぞれが抱える事情を舞台全体で描き出すことが、月組の魅力として受け継がれてきました。
もちろん、月組のすべての公演が重厚な人間ドラマというわけではありません。コメディー、海外ミュージカル、日本物、レビューなど、作品によって表現の方向性は変わります。組の伝統は演目を選ぶための手がかりであり、個々の作品の魅力を決めつけるものではありません。

【2026年最新情報】月組のトップスターと公演スケジュール
2026年の月組を語るうえで、最も大きなニュースの一つが、トップスター鳳月杏とトップ娘役・天紫珠李の退団発表です。宝塚歌劇公式ホームページによると、2人は2026年5月20日に退団記者会見に関する公式発表が行われ、同年12月開幕の『天穹のアルテミス』『Belle Époque』をもって宝塚歌劇団を卒業する予定となりました。
鳳月杏は2006年に入団し、月組への配属、花組への組替えを経て、2019年に月組へ復帰。2024年7月に月組トップスターへ就任しました。長いキャリアの中で複数の組を経験したことも、その舞台人としての歩みを理解するうえで重要なポイントです。
天紫珠李は月組を中心に活動してきたトップ娘役です。2人が同じ公演をもって退団するため、次回の大劇場公演は、現在のトップコンビの集大成としても注目されます。
2026年10月23日時点で、次に予定されている月組の宝塚大劇場公演は、次の2作品です。
- ルナティック・シアター『天穹のアルテミス』:作・演出は大野拓史。
- レヴュー ロマン『Belle Époque(ベル エポック)』:作・演出は稲葉太地。
宝塚大劇場での公演期間は2026年12月12日から2027年1月24日まで。続く東京宝塚劇場公演は2027年2月13日から3月28日までの予定です。宝塚大劇場公演の一般前売開始日は2026年11月21日と案内されています。
公式日程では、宝塚大劇場の2027年1月24日公演と、東京宝塚劇場の3月28日公演が、鳳月杏・天紫珠李の退団公演における最終日となる予定です。1月23日と24日、東京公演の3月28日には、対象公演終了後にサヨナラショーが予定されています。公演日程やチケットの取り扱いは変更される場合があるため、観劇前には公式案内の確認が欠かせません。
2026年の月組は、この大劇場公演に至るまでにも複数の舞台に取り組んできました。6月から7月には『RYOFU』『水晶宮殿(クリスタルパレス)』、9月には東急シアターオーブで『NINE』、10月にはKAAT神奈川芸術劇場で『稲妻開化譚-イナズマカイカタン-』が上演されています。2026年の公演履歴を振り返ると、専用劇場の公演だけでなく、外部劇場を活用した多様な作品展開も月組の活動の一部となっていることが分かります。
【歴代トップスターと年表】月組を彩ってきたスターたち
月組の歴代トップスターには、宝塚歌劇団を代表するスターが数多く名を連ねています。1980年代以降では、大地真央、剣幸、涼風真世、天海祐希、久世星佳、真琴つばさ、紫吹淳、彩輝直、瀬奈じゅん、霧矢大夢、龍真咲、珠城りょう、月城かなと、そして鳳月杏へと、その系譜が続いてきました。
それぞれの時代でスターの個性や作品の傾向は異なります。月組の歴史を知る際は、トップスターの名前だけでなく、上演作品や演出の変化も併せて見ると、組の魅力をより立体的に捉えられます。
| 時期 | 主な出来事・スター | 月組の歴史における意味 |
|---|---|---|
| 1921年 | 月組発足 | 花組とともに、現在につながる組制度の基礎を築いた。 |
| 1930~1933年 | 『パリゼット』『花詩集』 | レビューやショーの発展を支えた代表的な作品群。 |
| 1974~1987年 | 『ベルサイユのばら』『風と共に去りぬ』『ME AND MY GIRL』 | 大作ミュージカルの初演を担い、月組の作品史を形づくった。 |
| 1982~1995年 | 大地真央、剣幸、涼風真世、天海祐希 | スターの個性が注目され、退団後も広く知られる舞台人を輩出した時代。 |
| 1995~2016年 | 久世星佳、真琴つばさ、紫吹淳、彩輝直、瀬奈じゅん、霧矢大夢、龍真咲 | 芝居とショーの両面で、多彩なスター像を打ち出した。 |
| 2016~2024年 | 珠城りょう、月城かなと | 大作や話題作を通じ、月組の新たな魅力を発信した。 |
| 2024~2027年(予定) | 鳳月杏・天紫珠李 | 2024年に新トップコンビが誕生。2026年12月開幕の公演が2人の退団公演となる予定。 |
| 2025年 | 株式会社宝塚歌劇団へ移行 | 運営体制と劇団員の雇用制度を見直す大きな転換点となった。 |
この年表は、宝塚歌劇公式ホームページの月組100周年特集やスター情報、歴代スターに関する公開資料をもとに、主な節目を整理したものです。時代によってトップスター制度や公演の形態が異なるため、過去のスターと現在のスターを単純な人気順位で比較することはできません。
月組の歴史をさらに楽しむなら、鳳月杏のように組替えを経験したスターのキャリアにも注目したいところです。所属する組が変わると、共演者や作品の方向性も変わります。その経験が役づくりや舞台上の表現にどのように反映されるかは、スター個人の歩みと組の伝統が交差する見どころです。

【評判と人気の理由】月組と花組・雪組・星組・宙組の違い
宝塚歌劇団には、花組・月組・雪組・星組・宙組の5組があり、各組にトップスターとトップ娘役が存在します。組ごとに公演を行い、主演コンビを中心に、それぞれの出演者の個性を生かした舞台をつくり上げる仕組みです。
宝塚歌劇の公式紹介では、月組は繊細な群像劇や大作の上演を特徴とする組として紹介されています。ほかの組にも、それぞれ伝統や得意とする表現があります。
- 花組:華やかな舞台づくりや、群舞の統一感を楽しみたい人に向いている。
- 月組:人物同士の関係性、細かな演技、物語の積み重ねを重視する人に向いている。
- 雪組:日本物の演目や、情感を重視した芝居を楽しみたい人に向いている。
- 星組:時代物の作品や、男役の魅力が前面に出る舞台に関心がある人に向いている。
- 宙組:現代的でスタイリッシュな舞台や、迫力のあるコーラスに魅力を感じる人に向いている。
これらは公式紹介などに見られる傾向を簡潔に整理したものであり、組ごとに固定された優劣を示すものではありません。同じ組でも、演目、演出家、主演コンビによって舞台の印象は大きく変わります。
月組の評判を考えるうえで注目したいのは、物語の中で主演以外の出演者にも役割が与えられ、舞台全体で人間関係を描く作品が多いことです。主役の魅力を追うだけでなく、脇役の台詞や視線、場面ごとの関係性を追うことで、物語の理解が深まります。
また、『ベルサイユのばら』や『ME AND MY GIRL』のような作品史上の重要作を初演した実績も、月組に関心を持つ理由の一つです。宝塚歌劇の定番作品がどのような形で生まれ、その後どのように受け継がれてきたのかを知ることは、現在の公演を見る楽しみにつながります。
一方、月組がほかの組より人気が高いと断定できる、統一条件による公式の人気順位が常に公表されているわけではありません。観客の評価を考える際には、チケットの販売状況、作品への反響、スター個人の人気、レビューや芝居への好みなど、異なる指標を混同しないことが大切です。
初めて観劇する人は、「月組だから」という理由だけで作品を決めるよりも、あらすじ、出演者、芝居とショーの構成を確認するのがおすすめです。物語の深さや人物描写を楽しみたい人にとって、月組は有力な選択肢になるでしょう。
【2025年の法人化】宝塚歌劇団と阪急電鉄、村上浩爾社長の役割
宝塚歌劇団の運営体制は、2025年に大きな転換点を迎えました。長年、阪急電鉄の一部門として運営されてきた歌劇団が、株式会社宝塚歌劇団として法人化されたためです。この改革は、劇団員の急死問題を受けて組織運営や労働環境のあり方が問われる中で進められました。
阪急阪神ホールディングスは2025年1月14日、歌劇団の株式会社化とガバナンス体制の強化、劇団員の雇用関係の見直しを発表しました。同年4月に新会社が設立され、7月1日付で事業を引き継ぐ計画が示され、同日付の役員人事も公表されました。
2025年5月14日付の阪急電鉄・宝塚歌劇団の役員人事資料では、村上浩爾氏が株式会社宝塚歌劇団の代表取締役社長に就任する人事が示されています。新会社は阪急電鉄の100%出資であり、株式会社化は阪急グループから資本面で独立したことを意味しません。
法人化の狙いとして掲げられたのは、経営の透明性とガバナンスの強化です。阪急阪神ホールディングスが公表した改革資料では、公演企画・制作などを担う事業部門、総務・人事・経理などを担う管理部門、内部監査部門を区分する「3線モデル」の整備が示されています。また、取締役の過半数を社外出身者とする方針も打ち出されました。
事業の役割分担も理解しておきたい点です。株式会社宝塚歌劇団が公演の企画・制作や出演に関する実務を担う一方、阪急電鉄との委託関係は継続しています。つまり、会社としての責任や内部管理の仕組みを明確にしつつ、グループとの連携を維持する構造です。
法人化そのものが、組織運営の問題を自動的に解消するわけではありません。社外取締役を含む監督体制が実際に機能しているか、現場の意見が意思決定に反映されているか、労働時間や処遇の改善が継続しているか。改革の実効性は、制度の設計だけでなく、その後の運用によって評価されます。

【雇用契約制度の変更と退団後の進路】宝塚音楽学校から月組へ続く仕組み
2025年の改革で重要だったもう一つの柱が、劇団員の契約制度の変更です。従来、入団5年目までの劇団員は雇用契約を結び、入団6年目以降はタレントとして業務委託契約を結ぶ仕組みが採用されていました。今回の見直しでは、専科所属者を除き、入団6年目以降の演技者についても雇用契約を結ぶ方針が実施されました。
日刊スポーツの2025年3月11日付報道によると、劇団は同年3月1日付で、従来タレント契約だった入団6年目以降の劇団員221人と契約を更改しました。専科所属者については、従来どおりタレント契約が維持されたと報じられています。
この変更の背景には、2023年9月末に宙組の劇団員が急死した問題と、その後の労働環境をめぐる検証があります。2024年には西宮労働基準監督署から是正勧告が出され、長時間の稽古や労働時間の管理、雇用関係のあり方が課題として浮上しました。
雇用契約への変更は、単なる契約書の書き換えではありません。雇用関係が明確になることで、労働時間管理や労災保険など、労働者としての保護に関わる枠組みが変わります。ただし、制度を変更しただけで負担がなくなるわけではなく、実際の稽古時間、業務量、休息の確保、相談体制が適切に機能するかが重要です。
阪急阪神ホールディングスが公表した改革資料では、タイムレコーダーによる労働時間管理の強化、処遇改善や一部手当の増額、二次商品への出演料の増額、若年層を主な対象とする住宅補助手当の導入なども示されています。さらに、常設カウンセリングルームの開設、専門医への相談ルートの拡充、診療体制の強化、演技者用食堂の改善と利用の無償化など、心身を支える施策も盛り込まれました。
こうした取り組みは、舞台の質を維持するためにも欠かせません。宝塚歌劇団では、出演者が舞台に立つまでに、稽古、振付、歌唱指導、役づくりなど多くの工程を重ねます。舞台裏の働き方が持続可能でなければ、長期的に安定した作品づくりを続けることは難しくなります。
宝塚音楽学校と月組の関係も、運営体制を理解するうえで重要です。宝塚音楽学校は、宝塚歌劇の出演者を養成する学校です。卒業生は歌劇団に入団し、研究科1年として初舞台を踏んだ後、各組に配属されます。月組への配属は、入団後のキャリアを始める重要な節目ですが、学校と歌劇団の役割は同じではありません。
入団後は、舞台経験を積みながら役の幅を広げ、組内での立場も変化していきます。トップスターを目指す道だけでなく、芝居や歌、ダンス、脇役としての表現を磨き、組の舞台を支える道もあります。スター制度と集団での作品づくりが並行している点は、宝塚歌劇団の特徴の一つです。
退団理由についても、年齢や結婚だけで一律に説明することはできません。過去には、一定の学年や結婚をめぐる制度・慣行が存在した時代がありましたが、現在の個々の退団には、それぞれのキャリアや将来の活動、本人の事情などが関係します。具体的な理由は、本人や劇団による発表で説明された範囲を基準に受け止める必要があります。
退団後の進路も一様ではありません。舞台俳優や映像作品への出演、歌手活動、講師など、在団中に培った表現力や経験を生かす人がいる一方、芸能活動とは異なる道を選ぶ人もいます。退団した全員が同じ事務所に所属したり、芸能活動を続けたりするわけではなく、個別の進路は本人の発表などによって異なります。
月組の運営体制を理解するには、スターの交代や公演情報だけでなく、音楽学校から入団、配属、雇用契約、退団後まで続くキャリアの流れを見ることが重要です。舞台上の華やかさと、その舞台を支える制度の両方を捉えることで、月組をより深く理解できます。
【宝塚歌劇団月組】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在の月組トップスターとトップ娘役は誰ですか?
A1:2026年10月23日時点では、トップスターが鳳月杏、トップ娘役が天紫珠李です。2人は2026年12月開幕の『天穹のアルテミス』『Belle Époque』をもって退団する予定です。
Q2:月組の次回公演はいつ、どこで上演されますか?
A2:宝塚大劇場では2026年12月12日から2027年1月24日まで、東京宝塚劇場では2027年2月13日から3月28日まで上演される予定です。一般前売開始日は宝塚大劇場公演が2026年11月21日と案内されています。公演日程やチケット情報は公式案内で確認してください。
Q3:宝塚歌劇団の法人化で、月組の劇団員の雇用制度はどう変わりましたか?
A3:2025年の改革により、専科所属者を除き、従来タレント契約だった入団6年目以降の演技者も雇用契約を結ぶ仕組みへ移行しました。労働時間管理の強化や処遇改善も進められています。ただし、制度の実効性を判断するには、契約の変更だけでなく、実際の勤務時間や休息、相談体制などの運用を見る必要があります。
まとめ:月組の魅力と運営改革を見極めるための判断基準
【プロの結論】宝塚歌劇団月組は、1921年の発足以来、繊細な群像劇と大作ミュージカルの歴史を重ねてきた組です。大地真央、天海祐希、真琴つばさ、龍真咲、月城かなとらの時代を経て、2026年は鳳月杏・天紫珠李のトップコンビが退団公演を迎える節目にあります。
2026年の公演を観劇するなら、直近の舞台履歴だけでなく、12月開幕の『天穹のアルテミス』『Belle Époque』の内容、出演者、上演日程を確認することが第一歩です。退団公演という節目に注目しながらも、作品そのものの魅力と、次の月組へ受け継がれる表現に目を向けたいところです。
一方、宝塚歌劇団の法人化と雇用契約制度の変更は、舞台の外側にある運営の問題を考える重要な材料です。株式会社化によって責任や監督の仕組みが明確になったことに加え、労働時間管理、待遇、健康支援がどこまで定着するかが、今後の評価を左右します。
月組を知るための判断基準は、大きく三つあります。第一に、歴代スターや名作を通じて組の歴史を理解すること。第二に、組ごとのイメージだけで決めつけず、実際の演目や出演者から観劇する作品を選ぶこと。第三に、組織改革については発表された制度と、その後の運用を分けて捉えることです。
舞台の魅力と運営の透明性は、どちらか一方だけで成り立つものではありません。月組が受け継いできた表現の伝統と、出演者が安心して舞台づくりに取り組める環境。その両方が持続するかどうかが、これからの宝塚歌劇団を見守るうえで大切な視点となります。 (出典: 宝塚 歌 劇団 月 組(Yahoo!ニュース))