憲法改正の流れ2026年最新!国会発議3分の2から国民投票・公布まで徹底解説
憲法改正は、国会で賛成多数になれば直ちに実現するものではありません。日本国憲法第96条に基づき、改正原案の提出、衆議院・参議院での審査、各議院の総議員の3分の2以上による国会発議、国民投票での承認、そして公布という厳格な手続きを踏む必要があります。
2026年は、緊急事態条項や憲法9条、参議院の選挙区をめぐる合区の解消などが国会で議論されているほか、憲法改正国民投票の手続きに関する法律の改正も進みました。この記事では、憲法改正の流れを初めて調べる方にも分かるように、必要な賛成数、国民投票の時期と投票資格、2026年の最新動向まで整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:憲法改正には、衆議院・参議院それぞれで総議員の3分の2以上の賛成による国会発議が必要。
- 要点2:国民投票は原則として国会発議から60日以後180日以内に実施され、18歳以上の日本国民が投票できる。
- 要点3:2026年は緊急事態条項、憲法9条、国民投票の公平性などが議論されているが、憲法改正の国民投票日が決まったわけではない。
【全体像】憲法改正の流れは5つの段階で理解できる
日本の憲法改正手続きの根拠となるのは、日本国憲法第96条です。国会が改正を発議し、国民に提案したうえで、国民の承認を得ることが求められています。
一般の法律案と大きく異なるのは、国会での議決だけでは手続きが完了しない点です。衆議院と参議院の双方で厳しい賛成要件を満たした後、国民投票でも承認を得なければなりません。
第1段階:憲法改正原案の提出 — 改正する条文や内容を具体的に示した原案を提出します。
第2段階:衆議院・参議院での審査 — それぞれの憲法審査会などで内容を審議し、本会議での議決に進みます。
第3段階:国会発議 — 衆議院と参議院の各本会議で、それぞれ総議員の3分の2以上の賛成を得ます。
第4段階:憲法改正国民投票 — 国民投票で賛成票が投票総数の過半数を超えると、国民の承認が成立します。
第5段階:公布 — 国民の承認を得た改正は、天皇が国民の名で公布します。
この5段階のうち、特に大きなハードルとなるのが、国会発議に必要な3分の2の賛成と、国民投票による承認です。どちらか一方でも条件を満たさなければ、憲法改正は成立しません。

【原案提出から国会発議まで】衆参の憲法審査会と3分の2ルール
憲法改正の議論が始まった段階と、正式に国会発議された段階は区別する必要があります。政党が改正方針を発表したり、憲法審査会で意見を述べたりしただけでは、国民投票に進むことはできません。
憲法改正原案はどのように提出される?
国会法第68条の2では、議員が憲法改正原案を発議する場合の賛成者数が定められています。原案を提出するには、衆議院では議員100人以上、参議院では議員50人以上の賛成が必要です。
ここでいう賛成者数は、原案を提出するための要件です。憲法改正を国会として発議する際に必要な、各議院の総議員の3分の2以上という要件とは別のものです。
また、原案は内容において関連する事項ごとに区分して提出することとされています。複数の改正テーマを扱う場合でも、どの条文をどのように変えるのかを具体的に示し、国会で審議できる形にする必要があります。
衆議院憲法審査会・参議院憲法審査会の役割
衆議院憲法審査会と参議院憲法審査会は、日本国憲法や憲法に密接に関連する基本法制について調査し、憲法改正原案や国民投票に関する法律案などを審査する機関です。
審査会では、改正が必要とされる背景、条文の具体的な内容、制度変更による影響などを議論します。ただし、審査会で議論が進んだことと、憲法改正原案が正式に国会発議されたことは同じではありません。
審査を経た原案は本会議で議決され、衆議院・参議院の双方で必要な賛成を得る必要があります。各院で異なる判断となり、どちらか一方が条件を満たさなければ、国民投票には進めません。
国会発議に必要な賛成数を整理
日本国憲法第96条が求めるのは、各議院の「総議員」の3分の2以上の賛成です。出席した議員だけを基準に計算するわけではありません。
| 段階 | 必要な条件 | 意味・注意点 |
|---|---|---|
| 原案の提出 | 衆議院100人以上、参議院50人以上の賛成 | 議員が原案を発議するための要件 |
| 衆議院の国会発議議決 | 総議員の3分の2以上の賛成 | 出席議員や投票総数の3分の2ではない |
| 参議院の国会発議議決 | 総議員の3分の2以上の賛成 | 衆議院と参議院の両方で満たす必要がある |
| 国民投票 | 賛成票が投票総数の過半数を超えること | 国会発議とは別の承認要件 |
| 公布 | 国民の承認を得た後に公布手続き | 天皇が国民の名で公布する |
例えば、ある議院で総議員の3分の2に届く賛成を得られなければ、出席者の大多数が賛成していても発議の要件は満たせません。この仕組みは、憲法という国の基本ルールを通常の法律よりも慎重に変更するためのものです。
【国民投票はいつ行われる?】18歳以上の投票権と過半数の基準
国会発議の次に行われるのが、憲法改正国民投票です。具体的な投票日はあらかじめ固定されているわけではなく、国会発議後に法律に基づいて決定されます。
国民投票の実施時期は発議から60日以後180日以内
「日本国憲法の改正手続に関する法律」第2条では、国民投票を国会発議の日から起算して60日以後180日以内に、国会の議決した期日に行うと定めています。
したがって、国会が改正原案を発議しても、その日のうちに国民投票が実施されるわけではありません。投票に向けた準備や国民への情報提供などを行うための期間が設けられています。
2026年10月25日時点では、憲法改正国民投票の具体的な投票日は設定されていません。審査会で議論されているテーマがあることと、投票日が決定していることを混同しないようにしましょう。
投票できるのは18歳以上の日本国民
国民投票法第3条により、投票権を持つのは年齢満18年以上の日本国民です。一般的な国政選挙と同様に年齢要件がありますが、外国籍の住民は、年齢を満たしていても憲法改正国民投票の投票権を持ちません。
国民投票は、国民が憲法改正案そのものに賛成するか、反対するかを判断する手続きです。国会議員を選ぶ選挙とは目的が異なり、投票の対象も異なります。
過半数の基準は「投票総数」
国民投票で必要なのは、改正案への賛成票が投票総数の2分の1を超えることです。国民投票法では、投票総数を賛成票と反対票の合計として扱っています。
そのため、投票資格を持つ人全員の過半数が賛成しなければならない、という意味ではありません。また、賛成票と反対票がどちらも同じ数なら、賛成が過半数を超えたことにはなりません。
無効票は賛成票にも反対票にも含まれないため、賛成・反対の有効な投票数が基準になります。国民投票法には、別途、投票率が一定水準を超えなければ投票自体を無効にするという最低投票率の要件は設けられていません。
この点は誤解されやすいところです。国民投票の結果を判断するときは、賛成票の数だけでなく、何を分母として過半数を計算するのかまで確認することが大切です。

【2026年最新】憲法改正の現在の議論と国民投票法の改正
2026年の憲法改正をめぐる議論では、改正する条文の内容だけでなく、緊急時の国会機能をどう維持するか、国民投票を公平に実施するにはどうすべきかといった論点も取り上げられています。
緊急事態条項と国会議員の任期延長
衆議院憲法審査会では、2026年4月から5月にかけて緊急事態条項に関する集中的な討議が行われ、5月には条項のイメージ案をめぐる議論も進みました。
議論の中心の一つは、大規模自然災害、感染症の大規模な流行、テロや内乱、外国からの武力攻撃などによって国政選挙を適正に実施できない場合に、国会の機能をどのように維持するかという問題です。
具体的な論点には、選挙期日の延期、国会議員の任期延長、緊急時における国会の招集が困難な場合の対応などがあります。緊急政令や緊急財政処分のような制度を設けるべきかどうかも議論の対象です。
ただし、これらは検討されている制度案や各会派の主張であり、すべてが合意済みの改正条文になったわけではありません。制度を設ける必要性とともに、発動要件をどこまで厳格に定めるか、権力の集中をどう防ぐかが重要な論点になります。
憲法9条と自衛隊の位置付け
憲法9条をめぐっても、2026年6月の衆議院憲法審査会で集中的な討議が行われました。自衛隊の位置付けや安全保障に関する規定をどう扱うかは、憲法改正論議の主要テーマの一つです。
議論では、現行の条文と自衛隊の存在・活動との関係をどう整理するか、条文を改める場合にはどのような文言が適切かといった点が問題になります。改正の必要性を主張する立場と、現行憲法の平和主義や権力統制を重視する立場では、制度の評価が異なります。
重要なのは、「9条改正」という言葉だけで賛否を決めるのではなく、どの条文をどう変更し、その結果として政府や自衛隊の権限がどのように変わるのかを具体的に確認することです。
合区の解消と地方の代表をめぐる議論
参議院の選挙区をめぐる合区の解消や、地方の意見を国会にどのように反映させるかという問題も議論されています。衆議院憲法審査会では、2026年6月から7月にかけて、合区や地方公共団体をテーマにした討議が行われました。
この問題では、地域の代表性を確保する必要性と、選挙区ごとの人口の違いによって生じる投票価値の不均衡をどう調整するかが焦点になります。地方の声を反映する制度設計と、選挙における平等をどう両立させるかが問われています。
国民投票法の改正は2026年10月31日に施行予定
2026年の具体的な動きとして注目されるのが、「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律」です。衆議院の議案審議経過によると、同法案は6月5日に提出され、衆議院で6月19日、参議院で7月24日に可決され、7月31日に令和8年法律第73号として公布されました。
この改正では、国民投票の投票立会人の選任対象を、各投票区の投票人名簿に登録された人に限る仕組みから、国民投票の投票権を持つ人へと変更します。施行日は2026年10月31日です。
この変更は、投票を適切に運営するための手続きに関するものです。憲法改正に必要な国会の3分の2の賛成、国民投票の過半数要件、発議後60日以後180日以内という基本的なルールそのものを変更するものではありません。
一方、衆議院憲法審査会の2026年6月の会議録では、国民投票における広告の公平性やインターネット上の有料広告、運動資金の規制、ネット上の情報の適正な利用なども検討課題として取り上げられています。改正法に付された附帯決議でも、こうした事項について引き続き検討することが求められました。
つまり、2026年の動きは、憲法改正の実現そのものと、改正の是非を国民が判断するための手続きの整備を分けて見る必要があります。国民投票法の一部が改正されたからといって、憲法改正の国会発議や国民投票がすでに決まったわけではありません。
【誤解しやすいポイント】憲法改正のニュースを見極める判断基準
憲法改正に関する報道では、「改憲に向けて議論が進展」「改正案を検討」「国民投票法を改正」といった表現が使われます。しかし、これらは同じ段階を指しているわけではありません。
誤解1:憲法審査会で議論されたら改正が決まる
憲法審査会での討議は、改正に向けた論点を整理し、条文案を検討するための重要な過程です。しかし、審査会で意見が出されたことや、各会派が改正方針を表明したことだけで、憲法改正が決まるわけではありません。
正式な原案の提出、各議院での審査と議決、総議員の3分の2以上による国会発議という段階を踏んでいるかどうかを確認しましょう。
誤解2:国会で3分の2以上の賛成があれば成立する
国会発議は憲法改正の大きな節目ですが、手続きの終わりではありません。発議後には国民投票が行われ、賛成票が投票総数の過半数を超える必要があります。国民の承認が得られなければ、改正は成立しません。
誤解3:国民投票法の改正は憲法そのものの改正を意味する
憲法改正の手続きを定める法律と、日本国憲法そのものは別です。国民投票法を改正して投票環境を整備しても、それだけで憲法の条文が変更されるわけではありません。
また、憲法の条文を変更する「憲法改正」と、条文そのものは変更せずに政府や裁判所などが解釈を変える「憲法解釈の変更」も区別する必要があります。ニュースを読む際には、何が変更されたのかを条文や法案の内容から確認することが大切です。
情報を確認するときの3つの基準
手続きの段階:議論、原案提出、国会発議、国民投票のどこまで進んでいるのか。
変更の対象:憲法の条文なのか、国民投票を実施するための法律なのか。
具体的な内容:どの条文を変更し、政府や国民の権利・義務、国会の権限などにどのような影響が生じるのか。
この3点を押さえるだけでも、政治家の発言や政党の方針表明と、国会で正式に進められている手続きとを区別しやすくなります。

【憲法改正流れ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:憲法改正には国会で何%の賛成が必要ですか?
A1:衆議院・参議院のそれぞれで、総議員の3分の2以上の賛成が必要です。出席議員だけを基準にするのではなく、各議院の総議員数を基準に計算します。その後、国民投票で賛成票が投票総数の過半数を超える必要があります。
Q2:憲法改正の国民投票はいつ行われますか?
A2:国民投票法第2条では、国会発議の日から起算して60日以後180日以内に、国会が議決した期日に実施すると定めています。2026年10月25日時点で、憲法改正国民投票の具体的な投票日は設定されていません。
Q3:憲法改正の国民投票は何歳から投票できますか?
A3:国民投票法第3条により、18歳以上の日本国民が投票できます。外国籍の住民は、年齢要件を満たしていても投票権を持ちません。
まとめ:憲法改正の流れと2026年の動向を正しく理解する
憲法改正の流れは、改正原案の提出、衆議院・参議院での審査、各院の総議員の3分の2以上による国会発議、国民投票での承認、そして公布という段階に分かれています。日本国憲法第96条は、国会と国民の双方が改正手続きに関与する仕組みを定めています。
国民投票は発議から60日以後180日以内に行われ、18歳以上の日本国民が投票できます。改正案への賛成票が投票総数の過半数を超えた場合に国民の承認が成立し、その後、天皇が国民の名で公布します。
2026年は、緊急事態条項、憲法9条、合区の解消といった改正論議に加え、国民投票の運営や広告の公平性をめぐる制度整備も進んでいます。国民投票法の一部改正は10月31日に施行予定ですが、これと憲法改正そのものの発議は別の手続きです。
【プロの結論】 憲法改正のニュースを理解するうえで最も重要なのは、「何が議論されているか」だけでなく、「法的な手続きがどこまで進んだか」を見極めることです。原案の提出、国会発議、国民投票、公布を区別し、変更される条文の具体的な内容と、その影響まで確認することで、憲法改正をめぐる議論をより正確に判断できます。 (出典: 憲法 改正 流れ(Yahoo!ニュース))