調教師定年は何歳?JRA70歳制度と地方競馬の違い、2026年引退7人を徹底解説
競馬の調教師定年は何歳なのか。JRA(日本中央競馬会)では70歳定年制が採用されており、2026年3月3日には国枝栄、小西一男、佐々木晶三ら7人の調教師が定年を迎えて引退した。アーモンドアイやアパパネ、キズナなど、数々の名馬を育てた調教師たちの節目は、競馬ファンにとっても大きな出来事となった。
ただし、地方競馬の調教師定年はJRAと同じではない。大井競馬では72歳、川崎競馬では75歳を基本とする制度が設けられるなど、競馬場によって年齢や運用が異なる。さらに、JRAの定年引退は誕生日当日に行われるわけではなく、調教師免許の有効期間や満了日も関係する。2026年の最新事例をもとに、制度の仕組み、導入の経緯、歴代の引退調教師まで整理する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- JRAの定年:調教師は70歳定年制。実際の引退日は誕生日ではなく、免許の更新時期などに左右される。
- 2026年の定年引退:国枝栄、小西一男、佐々木晶三、西園正都ら7人が3月3日付で引退した。
- 地方競馬との違い:大井競馬は72歳、川崎競馬は75歳が基本。全国一律の定年ではなく、主催者ごとの制度を確認する必要がある。
【調教師定年は何歳?】JRAは70歳、地方競馬は一律ではない
JRAの調教師定年は70歳だ。1988年2月に70歳定年制の導入が決定され、現在まで続く制度の基礎となった。JRA公式サイトの「JRAのあゆみ」にも、この制度決定が記録されている。
ただし、「70歳の誕生日を迎えた日に調教師を引退する」という理解は正確ではない。実際には、70歳に達した後の免許更新時期などに合わせて引退するため、誕生日と引退日が数カ月以上離れることもある。
2026年の定年引退者を見ると、その仕組みがわかりやすい。1955年生まれの国枝栄調教師は2025年4月に70歳となり、1956年1月生まれの佐々木晶三調教師は2026年1月に70歳となった。両者とも引退日は2026年3月3日だった。
一方、地方競馬にはJRAと同じ年齢を一律に適用する仕組みはない。競馬場ごとに定年年齢や経過措置、延長の取り扱いなどが異なるため、「競馬の調教師は全国どこでも70歳で引退する」と考えるのは誤りだ。

【2026年最新】定年引退したJRA調教師7人と主な管理馬
JRAは2026年2月10日、定年を迎える調教師7人が同年3月3日をもって引退すると発表した。美浦所属が5人、栗東所属が2人。引退日は全員同じだが、調教師として歩んだ経歴や管理してきた競走馬はそれぞれ異なる。
JRA公式の「2026年 引退調教師紹介」に掲載されたプロフィールと通算成績をもとに、7人の主な実績をまとめた。勝利数はJRA主催競走の通算成績である。
| 調教師名 | 所属 | 主な管理馬・実績 | JRA通算勝利数 |
|---|---|---|---|
| 国枝栄 | 美浦 | アーモンドアイ、アパパネ、ブラックホーク | 1,123勝 |
| 小西一男 | 美浦 | ペイシャエス、ゴーゴーナカヤマ | 537勝 |
| 佐々木晶三 | 栗東 | キズナ、アーネストリー、タップダンスシチー | 680勝 |
| 土田稔 | 美浦 | ハイランドピーク、タイキシャーロック | 386勝 |
| 西園正都 | 栗東 | ジュールポレール、サダムパテック | 749勝 |
| 根本康広 | 美浦 | 騎手・調教師として長年活動し、若手騎手の育成にも携わる | 218勝 |
| 南田美知雄 | 美浦 | サペラヴィ、カッツミー | 210勝 |
国枝栄調教師――2頭の牝馬三冠馬を育てた名伯楽
2026年の定年引退者のなかでも、国枝栄調教師の引退は大きな注目を集めた。1989年に調教師免許を取得し、1990年に初出走。JRA通算1,123勝、重賞70勝という実績を残した。
代表的な管理馬は、2010年に牝馬三冠を達成したアパパネと、2018年に牝馬三冠を達成したアーモンドアイだ。アーモンドアイはジャパンカップなどでも活躍し、国枝厩舎を象徴する存在となった。長年にわたり牝馬の大舞台で結果を残してきたことが、同調教師のキャリアを語るうえで欠かせない。
JRA公式の引退紹介では、国枝調教師は引退の日を迎えた心境について、長いようであっという間だったと振り返っている。単に勝利数を積み重ねただけでなく、複数の時代にわたってトップクラスの競走馬を送り出した点が大きな特徴だ。
小西一男調教師――中山競馬場とともに歩んだ70年
小西一男調教師は1990年に免許を取得し、1991年に初出走した。JRA通算537勝、重賞8勝。ペイシャエスなどを管理し、2024年のエルムステークスをはじめとする重賞でも実績を残した。
JRA公式の引退時コメントでは、幼少期から騎手時代、調教師時代まで中山競馬場とともに過ごしてきた歩みを振り返り、今後は一ファンとして競馬を応援する意向を示した。競馬場で長年活動してきた人物ならではの節目となった。
佐々木晶三調教師――キズナやタップダンスシチーを管理
栗東の佐々木晶三調教師は1994年に免許を取得し、同年に初出走した。JRA通算680勝、重賞53勝を記録。2013年の日本ダービーを制したキズナ、2011年の宝塚記念を制したアーネストリー、2003年のジャパンカップを制したタップダンスシチーなど、記憶に残る競走馬を管理した。
JRA公式の引退紹介で、佐々木調教師は悔いなく終えられることへの思いを語り、特に思い出深い馬としてキズナを挙げている。騎手としても活動した経験を持ち、競馬の現場で長いキャリアを築いた調教師の一人だ。
なお、定年引退は調教師免許を失うことを意味するが、管理していた競走馬が競走生活を終えるという意味ではない。JRAは3月3日付の引退に伴い、管理馬を3月4日付でほかの調教師へ転厩させることも発表した。国枝厩舎の51頭をはじめ、7厩舎の管理馬が新しい管理体制へ移行した。
【免許満了日はいつ?】誕生日と引退日が一致しない仕組み
調教師定年を理解するうえで、年齢と同じくらい重要なのが「調教師免許の有効期間」と「満了日」だ。
競馬法施行規則では、調教師や騎手の免許の有効期間は原則1年間と定められている。また、一定の条件を満たす場合には、満了日から引き続き1週間を超えない範囲で有効期間を延長できる規定もある。
2026年のJRA定年引退者については、免許の有効期間が2026年3月3日まで延長されたことが、JRAの管理馬転厩に関する発表で明らかにされている。したがって、2026年の7人について確認すべき日付は、誕生日ではなく2026年3月3日の免許満了・引退日となる。
実際、JRAの定年引退日は年によって異なる。過去の公式プロフィールでは、2024年の定年引退者は3月5日、2025年は3月4日、2026年は3月3日と記録されている。これらの日付の違いからも、引退が70歳の誕生日に自動的に行われるわけではないことがわかる。
競馬ファンが引退時期を確認する際は、次の3点を押さえておきたい。
- 調教師の生年月日と70歳に達する時期
- JRAが発表する定年引退日・免許満了日
- 管理馬の転厩日と転厩先の調教師
特に出走予定馬を追っている場合、調教師の引退発表だけでなく、転厩に関する公式発表も確認することが大切だ。転厩によって管理体制は変わるが、競走馬の出走や競走生活がその時点で終了するわけではない。

【なぜ定年制がある?】1988年の導入と世代交代の課題
JRAが70歳定年制を決定したのは1988年2月だ。JRA公式の沿革に制度決定の記録が残っている。制度の実務的な意味を考えると、調教師の世代交代を進め、厩舎運営や免許の継承を計画的に行えるようにすることが大きな論点となる。
調教師は、競走馬の調教方針を決めるだけの仕事ではない。馬主との調整、厩舎スタッフの採用・育成、馬の健康管理、出走計画の策定など、厩舎全体の運営を担う責任者でもある。調教師が引退する際には、管理馬の転厩やスタッフの配置など、厩舎の内外で引き継ぎが必要になる。
定年制には、こうした引き継ぎを一定の時期に集中させることで、次の世代が開業する機会を生み出す側面がある。一方で、経験豊富な調教師が年齢を理由に退くことには、長年の技術や知識をどのように次世代へ伝えるかという課題も伴う。
2026年の引退者は、単に年齢を迎えた7人というだけではない。国枝調教師のように牝馬三冠馬を2頭育てた人物、佐々木調教師のように複数のGⅠ馬を管理した人物など、異なる専門性や経験を持つ人々が同じ時期に現場を離れた。
その意味で、定年制度は個々の調教師のキャリアの終わりであると同時に、競馬界全体にとって知識や経験を次の世代へどう引き継ぐかを考える節目でもある。
【地方競馬の定年】大井72歳・川崎75歳の違い
地方競馬の調教師定年は、JRAの70歳定年制とは異なる。地方競馬では各主催者の規定や運用が関係するため、すべての競馬場に共通する年齢を示すことはできない。
大井競馬は72歳が定年の目安
大井競馬では、調教師の定年は72歳とされている。東京シティ競馬の過去の公式発表にも、72歳で定年を迎えた調教師の引退事例が掲載されている。JRAの70歳よりも年齢が高いことが、中央競馬との大きな違いだ。
ただし、年齢だけを見て引退日を断定するのは避けたい。実際の引退日は競馬場の規定や免許の取り扱い、個別の発表によって確認する必要がある。
川崎競馬は2024年に定年制を導入
川崎競馬では、長らく調教師の定年制が設けられていなかったが、2024年から定年制が導入された。2026年3月の日刊スポーツの報道によると、基本となる定年年齢は75歳で、導入時点ですでに75歳を超えていた調教師には経過措置が設けられた。
同報道では、導入時に75歳を超えていた調教師は80歳までとする措置や、馬房数を減らすことで1年間の延長が可能となる運用も紹介されている。この経過措置により、2026年3月末に引退することになった岩本調教師と八木仁調教師は、ともに81歳だった。
この事例は、定年年齢と実際の引退年齢が必ずしも一致しないことを示している。新たに制度を導入する場合、すでに長く現場で働いてきた調教師にどのような移行期間を設けるかが、制度設計上の課題になる。
JRAと地方競馬の違いをどう理解するか
JRAと地方競馬の違いは、単に定年年齢が何歳かという点だけではない。免許の管理主体や競馬場ごとの運用、経過措置の有無なども異なる。地方競馬のすべての競馬場に大井や川崎の制度を当てはめることはできない。
特に地方競馬の調教師について調べる場合は、競馬場名を指定したうえで、主催者の公式発表や規定を確認するのが確実だ。「地方競馬の調教師は75歳で定年」といった一括りの理解では、実際の制度と食い違う可能性がある。

【歴代の定年引退調教師】2024年・2025年・2026年の動き
JRAの公式「引退調教師プロフィール」をたどると、定年引退が毎年の節目として続いていることがわかる。2026年だけでなく、直近数年の引退者を確認することで、制度の運用をより具体的に把握できる。
2026年3月3日:国枝栄、小西一男、佐々木晶三、土田稔、西園正都、根本康広、南田美知雄の7人が定年引退した。
2025年3月4日:石毛善彦、宗像義忠、音無秀孝、河内洋、木原一良、鮫島一歩、藤沢則雄、村山明の8人が引退した。
2024年3月5日:小桧山悟、高橋裕、中野栄治、飯田雄三、加用正、松永昌博、安田隆行の7人が定年引退した。
なお、JRAの引退調教師プロフィールには、2024年8月13日に引退した川村禎彦調教師や、2026年5月20日に引退した萩原清調教師、同年6月30日に引退した田村康仁調教師も掲載されている。これらは3月の定年引退者一覧とは別の日付の引退記録であり、すべてを同じ定年引退の集計に含めないことが重要だ。
また、調教師の引退は競馬界から完全に離れることと同義ではない。2026年6月の日刊スポーツの報道では、国枝元調教師が小島厩舎で厩務員として従事していることも伝えられた。調教師免許の終了後も、競馬に関わる形は一つではない。
歴代の定年引退調教師を調べる際は、JRAの年度別プロフィールを起点に、引退日、引退理由、管理馬の転厩先を分けて確認すると、人物のキャリアと制度上の区分を混同しにくい。
【プロの結論】競馬ファンが引退ニュースで確認すべき3つのポイント
調教師定年をめぐる情報は、「何歳で引退するのか」だけでは理解しきれない。年齢、免許満了日、管理馬の移動という3つの視点を合わせると、引退発表が競馬に及ぼす影響をより正確に把握できる。
第一に、年齢と引退日を分けて見ること。JRAの70歳定年制は、70歳の誕生日に即日引退するという意味ではない。2026年の国枝調教師と佐々木調教師のように、70歳に達した時期が違っても同じ日に引退する場合がある。
第二に、調教師の引退と競走馬の引退を混同しないこと。調教師が定年を迎えても、管理馬は原則として別の調教師に引き継がれる。馬の競走能力や出走可能性を判断するには、転厩先やその後の出走情報を確認する必要がある。
第三に、地方競馬は競馬場ごとの規定を見ること。大井の72歳、川崎の75歳という数字は、地方競馬全体に共通する定年ではない。経過措置や延長規定が存在する場合もあるため、具体的な引退日を知りたいときは主催者の公式発表が判断材料になる。
調教師定年は、競馬の世代交代と厩舎運営の引き継ぎに関わる制度だ。2026年の7人の引退は、名馬を育てた調教師たちのキャリアを振り返る機会であると同時に、次の世代がどのようにその経験を受け継いでいくかを考える節目でもある。
【調教師定年】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:JRAの調教師定年は何歳ですか?
A1:JRAでは70歳定年制が採用されています。ただし、引退日は誕生日当日ではなく、免許の更新時期などに合わせて決まります。
Q2:2026年に定年引退した調教師は誰ですか?
A2:国枝栄、小西一男、佐々木晶三、土田稔、西園正都、根本康広、南田美知雄の7人です。全員が2026年3月3日付で引退しました。
Q3:調教師免許の満了日は、70歳の誕生日と同じですか?
A3:同じではありません。免許の有効期間や更新時期などが関係します。2026年のJRA定年引退者7人の免許有効期間は、3月3日まで延長されました。
Q4:地方競馬の調教師も70歳で定年ですか?
A4:一律ではありません。大井競馬では72歳、川崎競馬では75歳を基本とする制度が設けられています。実際の年齢や引退日は、競馬場ごとの規定や経過措置によって異なります。
Q5:定年引退した調教師の管理馬はどうなりますか?
A5:通常は別の調教師に転厩し、新しい管理体制で競走生活を続けます。2026年もJRAが3月4日付の転厩を発表しており、調教師の引退と競走馬の引退は別の出来事です。
まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準
調教師定年は、JRAでは70歳、地方競馬では競馬場ごとに異なる制度が基本となる。2026年3月3日には国枝栄、小西一男、佐々木晶三ら7人がJRAの定年を迎えて引退し、管理馬も翌4日付で新しい厩舎へ移った。
制度の背景には、調教師のキャリアの節目だけでなく、厩舎の継承や次世代の育成という課題がある。1988年に70歳定年制を決定したJRAと、競馬場ごとに異なる運用を持つ地方競馬を比較すると、定年の数字だけでは制度の全体像を把握できないことがわかる。
今後、定年引退のニュースに接した際は、年齢だけでなく、正式な引退日、免許満了日、管理馬の転厩先を確認したい。これらを押さえることで、調教師の引退を競馬界の世代交代として理解し、応援してきた競走馬の次の動向も追いやすくなる。
主な参照資料:JRA「2026年 引退調教師紹介」「調教師7名・騎手2名が引退」「引退調教師プロフィール」「JRAのあゆみ」、競馬法施行規則、日刊スポーツ「南関東競馬の調教師定年あれこれ。大井競馬は72歳」。
(出典: 調教 師 定年(Yahoo!ニュース))